アルバムの綴り~ロシア・ピアノ小品集-ウラジーミル・トロップ

アルバムの綴り~ロシア・ピアノ小品集
トロップ(ウラジーミル)
コロムビアミュージックエンタテインメント (1998-05-21)
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先日、ショパンコンクールで優勝したユリアンナ・アブデーエワさんの経歴を見ると、ウラジーミル・トロップ氏に師事、とありました。

トロップ氏というと、ロシアピアノ界では有名なピアノ教育者です。それだけでなく、自身もピアニスト活動もしており、ピアノ愛好家なら知っている人は多いかと思います。

さて、弟子は師匠に似ることが多いものですが、この二人はどうなのでしょう。

結論から言うと、今のところの判断としてはあまり似ていないのかな、と彼の録音を聴きなおして思いました。

ロシアピアニズムというと、ピアノ全体を大きく鳴らし、かつ深みのある艶やかな音色で息を長く歌い上げるといった共通的な特徴があるかと思います。もちろんこれらに加えて個人の個性も加わりますが。

名前としては、リヒテル、ギレリス、キーシン、プレトニョフといったところが思い浮かびます。これはロシア人に限らず、ロシアで習った人、ワイセンベルクなどもそうでしょう。

そして、トロップです。

ところが、トロップは以上の人たちとは異なる個性も感じさせます。それはピアノをあまり大きく鳴らしてスケール感と引き換えにニュアンス感のなくなるような演奏はしないこと。

彼の演奏はニュアンス感に富み、しかもロシア的な音色の濃さも感じさせ、たいそう魅力的です。慈しむような音と語り口と評されています。

こうした演奏はこのCDに収められている、スクリャービンやメトメルのひそやかな夜の雰囲気を感じさせるような作品でその魅力を遺憾なく発揮します。逆にラフマニノフでは力感不足になりますが、それは表現志向の違いとしか言いようがありません。

さて、アブデーエワさんの演奏は音色的にも表現的にもあまりトロップ氏に似て感じません。

一方、トロップ氏の弟子として有名なイリーナ・メジューエワは、トロップ氏にそっくりです。

この、二人の弟子の違いをどうとらえるか、それもまたクラシック音楽愛好家としては面白い問題なのではないでしょうか。

なお、このディスクはレコードアカデミー賞受賞盤です。

収録曲目
1. 夜想曲ヘ長調op.10-1(チャイコフスキー)
2. アルバムの綴りop.19-3(チャイコフスキー)
3. ワルツ嬰ヘ短調op.40-9(チャイコフスキー)
4. 前奏曲ロ短調op.11-1(リヤードフ)
5. 音楽箱op.32-1(リヤードフ)
6. 練習曲嬰ハ短調op.2-1(スクリャービン)
7. マズルカ嬰ハ短調op.3-6(スクリャービン)
8. 夜想曲嬰ヘ短調op.5-1(スクリャービン)
9. 3つの小品op.45~1.アルバムの綴り~
10. 2.おどけた詩曲~
11. 3.前奏曲(スクリャービン)
12. おとぎ話 ロ短調op.20-1(メトネル)
13. 葬送行進曲op.31-2(メトネル)
14. 8つの情景画op.1より第6曲(メトネル)
15. 前奏曲変ト長調op.23-10(ラフマニノフ)
16. ユモレスクop.10-5(ラフマニノフ)
17. 断片(1917)(ラフマニノフ)
18. 前奏曲嬰ト短調op.32-12(ラフマニノフ)


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FM生中継

 がふ☆がふ様

 JASONです。

 またまたNHK-FMの生中継の話題で恐縮です。

 昨晩24日はサントリーホールからの生中継でマルクス・シュテンツ指揮
 のNHK交響楽団でブラームスのヴァイオリン協奏曲とシューマンの交響曲
 でしたが、前者のソリストであるヴェロニカ・エーベルレの演奏が素晴らしく
 て暫し聞惚れておりました。

 そして今日25日はNHKホールからの生中継でパーヴォ・ヤルビィ指揮
 ドイツカンマーフィルハーモニー管弦楽団でベートーベン他ですが、なんと
 ジャニース・ヤンセンの独奏でこれまたブラームスのヴァイオリン協奏曲が
 エントリーされているのですね。

 二日続けて超一流の女性ヴァイオリニストのブラームスが聴けるなんて
 贅沢の極みという気がします。

 両会場に足を運んでいる「幸福な人たち」もきっと居るのでしょう。

 しかしN響がサントリーホールでドイツカンマーフィルがNHKホールって・・・??

 ではまた。

No title

JASONさん、こんにちは。

たしかに二日続けてブラームスのヴァイオリン協奏曲…、贅沢というか重いくらいです。

でも、それをいずれも新鋭若手、それも女流ですから面白いですね。

この二日の並び、NHKはわざと…?

行く人はこの二つだけでなくいろいろ行けるのでしょうね。うらやましいです。

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がふ☆がふ

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