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絶対音感 (新潮文庫) 最相 葉月 (著)

絶対音感 (新潮文庫)
絶対音感 (新潮文庫)
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最相 葉月
新潮社
売り上げランキング: 113218
おすすめ度の平均: 3.5
5 「探求」をやめずに生きた人の詩がベースにある
2 前半よし、後半はちょっと…
4 絶対は絶対なのか?…迷宮の扉を次々開けていく著者の熱意
4 それなりの読み応え
4 「音楽は人類究極の謎」

関連書籍紹介。絶対音感 最相 葉月 著。

1998年に発売され、数十万部のベストセラーとなった本です。第4回小学館ノンフィクション大賞受賞作とのこと。

いわゆる「絶対音感」について、演奏者、指揮者、音楽教育関係者、そして科学者まで、なんと300人を超える人物に取材して書かれたノンフィクション、というより、巨大な卒業論文のような感じの内容です。

これを読むと「絶対音感」とはなんなのかについて、わかりやすく知ることができる、そんな本です(長いですけど)。

この本の売れ行きにより、こどもに絶対音感を早期教育によってつけさせようとする母親が続出。そうした教室も大盛況という事態が起こりました。

世間ではまるでこの本が「絶対音感」を音楽家に有利な特別な道具で、それを手放しで礼賛している本のように思う人が出たようです。

しかし、よく読むとこの本はあくまで「絶対音感」とは何なのかを、否定・肯定のどちらかにはっきりさせるのではなく、こういうものがある、という視点で書かれた本だと思います。

ところが、世間の反応は、かなり著者の意図とは違ってしまったようです。

著者はクラシック音楽のもともと愛好家などではないらしく、そういったことからも過度の思い入れのない姿勢につながっているのでしょう。愛好家ならそうは書かない演奏家の名前の呼び方が続出していることからもそれは窺われます(マリス・ヤンソンスをマリツ・ヤンソンスとか)。

ブームから12年、今一度この本を冷静に見てみるのもいいかもしれません。

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ガーシュウィン:ラプソディー・イン・ブルー バーンスタイン盤
フランク:ヴァイオリン・ソナタ チョン・キョンファ&ルプー


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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コメントはじめまして。

私は絶対音感がありません。
相対音感です。

絶対音感という言葉ばかりが独り歩きしている
感じはしますよね~。

相対音感というと、なにそれ?という顔をされます。

どちらも一長一短。
耳がちゃんと育てばどっちでもいいのに。

はじめまして

こちらこそはじめまして。

ブログいつも拝見させていただいていました。こちらにもおいでいただいていてありがとうございます。

私にも絶対音感はありません(当たり前?)。演奏家としてはたしかに相対音感を磨くのが大事と聞きますよね。

絶対音感ばかりが音楽に有利ではないことはひとつ言えることかもしれません。

絶対音感のあるとされる演奏家の演奏が機械的に聴こえるのは気のせいでしょうか(カラヤン、ポリーニ、ブーレーズ、マゼールなど)。

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